入院回顧録〜入院3日目(術後1日目)〜

1月21日(金)術後1日目


朝が明けた。ぼんやりとする中、夜勤の看護士さんがやって来た。

血圧などのチェックと思いきや「歩いてもとの部屋に帰るので、少し座って慣らしましょう」と声がかかる。

起きる前に足のチェック。痛かった左足はやっぱり赤くなっていたよう。看護士さんから部屋に戻ってもあまり左足をつけないようにと言われた。


いよいよ起きる。ベッドを自分で体調に合わせて少しずつあげ、起きていく。いきなり座るの辛いなぁと思っていたが、案外、楽に起きれた。結構早くにベッドいっぱいまで頭があがったが、看護士さんからは1時間座ってから起きると言われていたので、待ちが長くてまたうとうとそのまま眠ってしまった。この間、熱いタオルをもらって顔を拭いた。ありがたかった。お隣の方も順番に起こされていた。


しばらくすると、看護士さんより声がかかる。「大丈夫そうですね。ゆっくり起きて見ましょう」。ゆっくりゆっくり足をベッドの外へ移動。すでにベッドの上に起き上がっていたのでおなかにあまり負担がかからず、足を下ろすのはそんなに痛まなかった。


そのままの勢いで立つよう指示を受ける。目も回らずなんとか立てた。

大丈夫そうと一旦座り、おしっこの管を抜いてもらった。これがまた痛かった。足を下ろして座っているとおしっこの管があたって痛い!座っていられず少しお尻を浮かす。そのまま抜いてもらうがこれまた痛くて参った。こんなに早く管が抜けるとは思っていなかったので面食らったが、早く抜けて安心した。


おしっこの管が抜けるとすぐに看護士さんに連れられもとの部屋まで歩いて帰った。ふらふらはしなかったが、痛くて辛かった。体を起こして歩けない。



戻ったのは7時〜7時半ぐらい。部屋に戻ってからは、すぐに着替え。看護士さんに手伝ってもらってパジャマに着替えた。この時、下からの出血多し。傷周りはまだドレーンも一部入っているし血や体液がにじんでくるからと大きなパットをあてがわれた。


看護士さんから、この後はもう自由とのことだっだが、午前中にやることについていくつか説明を受けた。水をしっかり飲むこと、トイレに行くこと、11時半に漢方薬を飲むこと、そして歩くこと!!歩くのは、まだきついので午後お昼からでいいが、今日は病棟を30往復、明日は60往復と申し受ける。マジっすか!と思ったがすでにいっぱいいっぱいでそれ以上考えられず。案外、スパルタだ。


着替えでしばらく立ったりしていたので、顔が黄色かったらしく少し横になって休むよう言われた。


ただ、横になるのが、とてつもなく痛くて辛い。わかっていたのでしばらく座った状態から動けなかった。でも座っているのも楽じゃなかった。飲み物も取りに行く気力もない。



しばらくじっとしていたら、お隣の方がポカリスウェットを飲みきれないのでと差し入れしてくれた。動けない体にはありがたかった。



ポカリをいただき、さらにしばらくしてから、トイレへ行ってみた。



トイレに行くのもそろりそろりとゆっくりしか歩けない。トイレもお小水だけだったが少ししか出ず、しかもしみて痛かった。


10時半処置のためナースステーションに呼ばれる。先生におなかのドレーンを抜いてもらう。抜くとき、ぬるぬるして気持ち悪かった。たぶん、この時におなかに当てていた大きなパットからガーゼに変わったと思う。



帰ってから少し横になったが、どの格好も落ち着かない。痛みは相変わらず。


11時前、今日はお隣の方が、退院で挨拶に来てくれた。慌てて起きる。かなり痛い。でも、無事に帰れて良かった。熱も出てあんまり歩けず苦しそうだったからなぁ。挨拶すると、余ってしまったからとテレビカードとイヤホンをいただいた。なにからなにまで本当にありがとうございます。最後に「明日は楽になるよ」と声をかけてくれた。頑張ります。


一人部屋になってしまい、ちょっぴり寂しくなった。


11時半。今日の昼からご飯が食べられるので、腸の動きを良くする漢方薬を飲む。



12時ちょっと前。今日のお昼はバイキングですとアナウンスが入る。私は五分粥からスタート。どうしてよいのかわからず、しばらく部屋にいたが、ここにいてもしょうがないと廊下に出てみる。すると、何人かどうしてよいのかわからない仲間がいた。そこで初めて言葉を交わす。みな五分粥らしい、同じ日に手術したメンバーだった。


看護助手さん?が気がついて声をかけてくれた。五分粥と伝えるとみなの分盛り付けて部屋まで運んでくれた。



これがまたびっくり!五分粥なのに副食は普通のもの。ハムとかいくつか食べてはいけないものがあるようだったが、お刺身やらカニグラタンやらブリ大根やらちょっとずつだったが結構豪華な内容で盛りだくさんだった。運んでくれた方がちょっと盛り過ぎちゃったわねと言っていたが、おいしく完食した。


13時頃?(時間は忘れた)お隣のベッドに高齢の女性が入った。娘さんも一緒に来院。腸閉塞っぽい。ちょっと耳が遠いらしく看護士さん達が悪戦苦闘していた。また、2人部屋になった。



午後は、頑張って歩いてみた。でも、やっぱり痛い。点滴台もあって歩きにくい。


痛みは強くしばらく我慢したが辛かったのでナースステーションで点滴から痛み止めを入れてもらう。この時、自分で薬を入れる方法も教わった。1〜2回自分でも入れてみた。

歩き初めは3往復行けたが、みぞおちや左肩の痛みも出てきて、さらに午後には痛みup。連続で歩けなくなり1〜2往復をちょこちょこ行くようになった。



横になるのが痛くて怖く、座っている時間が長くなった。そして、痛くて落ち着かなくなると歩きに行くのを繰り返していた。


夕方になると痛みで体中に力が入ってしまいこわばったようにかばって歩いていたため、さらにあちこち痛くなった。とくに両方の肩周りはひどかった。


しかも、今日の分の点滴が終わる時、痛み止めの薬も取ってしまった。痛いけどこのまましばらく頑張る。



18時前夕食。今日の夕食まで五分粥(全粥だったのかも)。


夕食後、たぶん19時すぎあまりに痛くて、痛み止めの飲み薬をもらいにナースステーションに行くが夜勤帯のためか誰もおらず、我慢する。それを何度も繰り返し、結局、夜の検温の時(20時頃)に、肩の湿布と合わせて飲み薬をもらった。服用し、湿布を貼ったら少し楽になった。痛みで37℃2分まで微熱が出ていた。それまで痛くて1往復しかできなかった歩きも、ラストスパートで3往復を数回行け、今日のノルマ30往復をなんとか達成できた。


痛くてちょこちょこゆっくりしか歩けず、上手く足を動かせないし、体も起こせない。しかも、ノルマの歩きとは別に、今日はトイレに頻繁に行っていた。夜も入れると合計12回(昼間8回、夜間4回、便は出ず夜にガスが出た)。今日はかなり辛い1日だった。



そんな中でも、お昼に声をかけあった、同日手術の3人の方々と、歩いていて廊下ですれ違うと簡単な言葉を掛け合った。みなの体の状態を聞きながら、みんなも同じなんだ頑張らなくちゃと励みになった。


一人だったら、結構へこたれていたと思う。仲間がいて本当に良かった。今日退院された同室の方といい周りの方々に本当に恵まれていたと思う。