舞台『ドレッサー』

今年初の舞台観劇です。そして、久しぶりの大好きな世田谷パブリックシアターにて、昨日、夜の部を観てきました。


舞台は、第2次世界大戦下の困難の中でも巡業を続けるシェイクスピア劇団の楽屋がその舞台になります。ある夜の上演をめぐって、その“舞台裏”で右往左往しつつ繰り広げられる演劇人たちの悲喜劇を、座長と付き人ノーマンを中心に軽妙なテンポで描かれていきます(SIS company inc.より一部引用)。



正直、やっぱり外国の翻訳戯曲は苦手です。私が鈍感で外国の戯曲が難しいというイメージがあり、たいがいの作品はメッセージ性を感じ取れないので、いつもただただ単調な物に映ってしまうのです。ただ、三谷さん演出とあってか、笑いを細部にわたり、丁寧に取り入れていたり、舞台裏の演出や実際の舞台をやっているかのごとくの見せ方など、今回の作品は意外と見やすかったと思います。


俳優陣は、やっぱり大泉洋さん、橋爪功さんがあっぱれでした。大泉洋さんの軽妙で笑いを誘う演技やこれぞ大御所という、安定感、パワーに満ちた橋爪功さんの演技は、とても素晴らしかったです。

脇を固める俳優陣もベテラン、そして三谷組の方々揃い。


座長夫人役の秋山菜津子さん、舞台監督役の銀粉蝶さんをはじめ、お馴染みの梶原善さん、浅野和之さん(今回も素敵でしたよ)など、それぞれ個性的な演技で魅了してくれました。ほんのちょっとですが、声の出演だけ高橋克己さん、段田安則さんも出ていました(ちなみに、私、段田さんの声がどこで使われていたのかわかりませんでした(T_T))



苦手な外国の戯曲とあって、2時間40分はちと長くお尻が痛くなりましたが、苦手な演目にしてはまあまあ楽しめたと思います。


最後のカーテンコールは舞台が始まって2日目とあってか、1回だけ。舞台の中で幕が下りたまま、大泉洋さん扮するノーマンが前説するシーンや橋爪座長が舞台終わりに挨拶するシーンを彷彿するがごとく、カーテンコールでも幕があがらす、幕の間から、大泉洋さんと橋爪功さんが半身出てきてくれるという演出も憎くて、笑いを誘い、観客を最後まで楽しませてくれました。


《作品情報》
あらすじ

第2次世界大戦下の英国。空襲が激しさを増す中、とあるシェイクスピア劇団の楽屋では、「サー」と呼ばれる老座長(橋爪功)が、折からの空襲と戦時下の心労で心神喪失気味・・・。
その上、戦時下にあっては、若い俳優もいなくなり、手持ちのコマはわずかな人数の厄介者揃い。
座長夫人(秋山菜津子)やベテラン舞台監督(銀粉蝶)は公演中止を主張するが、長年「サー」に 献身的に仕えてきた付き人・ノーマン(大泉洋)は、今夜の演目『リア王』を何とか開幕させようと、 甲斐甲斐しく「サー」の世話をやきながら、叱咤したり、なだめたり、激励したり、と奮闘努力を惜しまない。
果たして、今夜の舞台の幕は上がるのだろうか?!ノーマンは「サー」を舞台に送り出せるのか?!




作:ロナウド・ハーウッド

翻訳:徐賀世子

演出:三谷幸喜

キャスト
橋爪功大泉洋秋山菜津子平岩紙梶原善銀粉蝶浅野和之/本多遼/長友郁真


公演期間:2013年6月28日(金)〜7月28日(日)

劇場:世田谷パブリックシアター


観劇回:18時開場、18時30分開演

上演時間:約2時間40分