折り返し地点から再び走りはじめ、次に目指すは、さきほどの友人のいる23km過ぎ。
目標があると辛さもなんとか耐えられるものです。
23km過ぎに到着し、友人を探しますが見当たらず、諦めかけて途中にあったエイドで水分とバナナを頬張りながら歩いていたら、ばったり友人に遭遇!
口の中でバナナをモグモグさせながらハイタッチしてもらい再びパワーをもらって走りはじめました。
そして、ここからがさらに辛かった!『あと1km先まででいいから頑張ろう!』となんとか自分を奮い立たせ、先に進みます。
途中、雨が強くなったり、足元が川状態になっていて、気にならなくなっていた靴がまた水没してぐっしょりになったり。30kmになかなかたどり着きません。
こんなに強い雨の中、こんなに長時間走り続けるのは初めての経験。雨自体は辛いとは感じませんでした。
脚はキツくなっていましたが、台風の中のランが、辛いながらも段々となんだか楽しくなってくるぐらい。
河川敷でも、所々で強い雨の中、応援してくれていた皆さまには感謝とともに凄いの一言!とくに15kmあたりにいた風船をたくさんつけて1人で応援してくれていた女性の方にはものすごく力をもらいました。この方がとっても凄いのは折り返して帰ってきた時もまだ応援を続けていてくれたことです。本当にありがたいですし、尊敬します。
後半は応援を力にしながら、耐えて耐えてなんとか30kmに到着。
30kmの計測地点を越えたところで一旦小休止。エネルギージェルをチャージして、長めにストレッチをしました。
そして、再びスタート。次の目標は、もちろん、33km付近にある大井川名物の大エイドステーションです。
不思議と31km・32kmあたりは辛さを忘れ本当に楽しくなってきて、あまり脚をあげないように自分なりの省エネとして、すり足ぎみで走る戦法でいこうと、水溜まりをシャアシャアと掻き分けながら、変なテンションで走っていました。
周りのランナーが苦しんでいるのを横目に変なテンションになっている自分がさらに楽しくなっている始末。まぁ、ちょっと辛いのが気にならなくなって良かったと言えば良かったですが。
そして、33km過ぎ、いよいよ大エイドステーションに到着です。
ここで大きな決断をしました。大エイドステーションをスルーすることに!
大エイドステーションとっても楽しみにしていました。本当は、ゆっくり立ち寄りたかったんですが、止まると脚が動かなくなりそうで、心残りでしたがスルーすることを決断。
チキンラーメン、まんじゅう、静岡おでんなどなど、たくさんの美味しそうな給食を横目に見ながら、先に進みます。
ここからは、上流38km地点の折り返し地点が目標。相変わらず、すり足走法で行きますが、川のようになったコースが多くなり、ももを挙げねばならず走りにくくなってきました。
そして、残り6kmあたり、36km地点の看板が見えたあたりから、ストライドを大きくして少しスピードアップ。早いかなぁと思いながらも、このままゴールまで走り抜くことを決意。
呼吸は苦しくないけど、脚が辛くて呼吸が荒くなります。
やっと38km付近の折り返しに到着。『あとは走ってきた道を戻るだけ!』と自分に言い聞かせペースを維持。
ここからの1kmは今まで以上に半端なく長く感じ辛い区間になりました。もう気持ちだけで走っていました。
そして、走って走ってやっと見えてきたゴール付近。応援の人も多くなり、『あともう少し』と思いながら必死にラストスパート。辛くて呼吸はさらに荒くなり顔は歪みっぱなしでした。
そして、やっとゴール!長い長い42.195kmの旅が終わりました。MCの方が『笑顔でゴールして!』と言っていましたが、両手を挙げるのが精一杯でした。
スタート前は台風という最悪な条件の中、フルマラソンを完走できるなんて思っていませんでした。
強い雨の中でもランナーのために、長い時間、準備して暖かい声をかけてくれたボランティアの皆さま・学生さんたち、熱い応援をしてくれた皆さま、そして、危ぶまれた大会自体を開催してくれた運営スタッフの皆さま、大会に関わったすべての方々の支えなくして完走はあり得ませんでした。本当に感謝しかありません。ありがとうございました。
今回は台風のフルマラソンになってしまいましたが、しまだ大井川マラソンは心に残るとっても素晴らしい大会でした。
30km計測地点。唯一、レース中に撮った場所です。ここで長めに休息を入れました。
30kmから先のコース。
30km地点の大井川。かなり水位はあがっています。
ランナーの皆さんお疲れ様でした。
ゴール後、この先のテントで記録証と参加賞を受け取りに。しかし、この後も地獄が待っていました!足元がドロドロ泥まみれの悲惨な状態に!そばを歩いていた年配の男性ランナーさんが『これじゃ罰ゲームだよ!』と私の心の声を代弁してくれました。たぶん私も声に出てたと思います。でも、これもいい思い出。そんなドロドロ状態の中、笑顔で声をかけてくれた学生さんたちには感謝です。