今年最後の舞台観劇は、超難解な戯曲、イギリスを代表する劇作家、ハロルド・ピンターの『管理人』。
3人芝居と、出演する俳優陣が気になっての観劇でしたが、なかなか観やすくて考えさせられる作品でした。
難しい外国の戯曲を観やすくしたのは、なんといっても演出の森新太郎氏の力と翻訳に関わった徐賀世子氏の現代に合わせた台詞(言葉)へまとめたことが大きいのではないかと思います。
舞台はとあるアパートの一室。ゴミの山とも見てとれるようなガラクタが散乱した部屋。そこに住む兄、アパートの所有者である弟、兄がつれてきたホームレス同様の老人。
物が散乱して殺伐とし、そして、外はいつまでも雨が降り続く閉鎖された空間。そこでの3人の心境・関係性の変化。
いく通りにも解釈が観る観客によって変わるのでしょうが、今の時代に生きる現代人の閉塞感や心の闇の部分を映し出しているようで、見終わってからジワジワと考えさせられる作品でした。
《作品情報》
ストーリー
舞台はロンドン西部にある家の一室。
住み込みで働いていたレストランを首になったデーヴィス(温水洋一)は、偶然知り合ったアストン(忍成修吾)に自分の家に来ないかと誘われ、これ幸いとついていく。だが翌朝、いきなり現れたアストンの弟ミック(溝端淳平)に不審者扱いされ激しく責め立てられる。デーヴィスの前に交互に現れる、切れ者のミックと無口で謎めいたアストン。彼らはそれぞれ、この家の「管理人」にならないかとデーヴィスに提案してくるのだが――。
(世田谷パブリックシアター ホームページより)
【作】ハロルド・ピンター
【翻訳】徐賀世子
【演出】森新太郎
【キャスト】
【会場】シアタートラム
【公演日程】
2017/11/26(日) ~ 2017/12/17(日)
兵庫公演
会場:兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
12/26(火)~ 27日(水)
【公演時間】約2時間10分
【観劇日時】
2017年12月16日(土) 13時の回
久し振りのシアタートラム。小さな劇場なので、真ん中あたりの席でしたがとても観やすかったです。ただ、席が狭くて窮屈でした。