久し振りの新国立劇場で楽しみにしていた舞台を観てきました。
蒼井優さん主演で、生瀬さんも出ると聞いたら観に行かない訳にはいきません。
新国立劇場の小劇場の舞台は特設ステージになっていて、客席中央に十字(クロス)の舞台、その舞台を中心に観客席を4つのブロックに分け観客が俳優を取り囲むという斬新な形になっています。そのため、向かい側の観客と対面する形になる、開演前は少し恥ずかしいようななんともいえない雰囲気です。ちなみに、開演時間になったら1階席への入場は出来なくなります。
そして、この舞台の形状ゆえか、かなり演者の皆さんを近く感じられました。
十字の舞台ゆえに1階席では見えづらい場面もありましたが、演者の細かな表情や息づかいまでしかと感じてきました。
役者さんたち、とくに今回の舞台観劇のお目当てでもある蒼井優さん、生瀬さんは、ともに繊細かつパワーのある演技で、とくに後半の山場であるアンチゴーヌとクレオンが対決する二人だけのシーンではその迫力に圧倒されてしまいました。さすが演技力のあるお二人だけのことはあります。外国のお話ではありますが、なかなか見応えのある舞台でした。
《舞台情報》
STORY
古代ギリシャ・テーバイの王オイディプスは、長男ポリニス、次男エテオークル、長女イスメーヌ、次女アンチゴーヌという、4人の子を残した。ポリニスとエテオークルは、交替でテーバイの王位に就くはずであったが、王位争いを仕組まれて刺し違え、この世を去る。
その後、王位に就いたオイディプスの弟クレオン(生瀬勝久)は、亡くなった兄弟のうち、エテオークルを厚く弔い、国家への反逆者であるとして、ポリニスの遺体を野に曝して埋葬を禁じ、背く者があれば死刑にするよう命じた。
しかし、オイディプスの末娘アンチゴーヌ(蒼井優)は、乳母の目を盗んで夜中に城を抜け出し、ポリニスの遺体に弔いの土をかけて、捕えられてしまう。
クレオンの前に引き出されるアンチゴーヌ。クレオンは一人息子エモン(渋谷謙人)の婚約者で姪である彼女の命を助けるため、土をかけた事実をもみ消す代わりにポリニスを弔うことを止めさせようとする。
だが、アンチゴーヌは「誰のためでもない。わたしのため」と言い、兄を弔うことを止めようとしない。そして自分を死刑にするようクレオンに迫る。懊悩の末、クレオンは国の秩序を守るために苦渋の決断を下す。
姉イスメーヌ(伊勢佳世)に今生の別れを告げたアンチゴーヌに、生き埋め刑執行の刻が近づく。穴に入れられ土をかけられていくアンチゴーヌ。
そして入口をふさぐ最後の石が置かれようとしたとき、墓の中いうああからアンチゴーヌではない声が聞こえてくる。エモンがいつの間にか穴に入っていたのだ。一度は助け出されたエモンだったが、自ら命を絶ちアンチゴーヌと永遠の眠りに就く。そして、エモンの死を知った王妃ユリディスも自害し、この世を去る。
そして、1人になったクレオンは、早く大人になりたいという小姓に言う。ばかだな。大人になんかなっちゃいけないんだ――。
作:ジャン・アヌイ
翻訳:岩切正一郎
演出:栗山民也
出演:
蒼井優、生瀬勝久、梅沢昌代、伊勢佳世、佐藤誓、渋谷謙人、富岡晃一郎、高橋紀恵
公演日程:2018年1月9日 (火) 〜2018年1月27日 (土)
会場:新国立劇場 小劇場<特設ステージ>
地方公演
松本◆まつもと市民芸術館
京都◆ロームシアター京都サウスホール
豊橋◆穂の国とよはし芸術劇場PLAT・主ホール
北九州◆北九州芸術劇場 大ホール
上演時間:2時間10分
観劇日時:2018年1月14日(日) 13:00~15:16
カーテンコールは3回でした。
ずっと会場は東京芸術劇場だと思い込んでいて、行きの電車の中で、チケットを確認していなかったら危うく池袋に行ってしまうところでした。
こんな間違いなかなかありません。最近、疲れがかなり溜まっているようです。