久し振りの映画鑑賞になってしまいました。仕事で疲労困憊、映画を観に行くどころではありませんでした。やっと観に行けた1本目は、この作品でした。
地味で重たい内容のストーリーではあります。ベトナム戦争を巡る機密文書漏洩から、国家と報道の自由の対立へと発展していく。地方紙であるワシントンポストの社主であるケイ・グラハム(メリル・ストリープ)は、女性であることで認められず虐げられる中で会社存続のために奔走し、この機密文書を巡る報道の最中へと巻き込まれていく。家族から引き継いできた社を守りたい彼女の葛藤と報道への強い信念、そして、最後の勇気ある決断に、心を揺さぶられました。
どんなに自分の立場が苦しくなろうとも、心中穏やかでないのに『考えは変わらない』と言って反対する役員たちを一蹴する。報道や新聞社としての本来のあるべき姿に気づき、強い信念を見せたいい場面でした。
最高裁の判決が電話で伝えられる場面での『報道は国民の為にあるのであって、統治者に奉仕するものではない』という言葉の重さ、そして、作業場にいるケイの姿は、彼女の強さを表しているように感じた素晴らしいシーンになっていました。
地味ではありますが、とても考えさせられた良作でした。
《作品情報》
ストーリー
1971年、ベトナム戦争が泥沼化し、アメリカ国内には反戦の気運が高まっていた。国防総省はベトナム戦争について客観的に調査・分析する文書を作成していたが、戦争の長期化により、それは7000枚に及ぶ膨大な量に膨れあがっていた。
ある日、その文書が流出し、ニューヨーク・タイムズが内容の一部をスクープした。
ライバル紙のニューヨーク・タイムズに先を越され、ワシントン・ポストのトップでアメリカ主要新聞社史上初の女性発行人キャサリン・グラハムと編集主幹ベン・ブラッドリーは、残りの文書を独自に入手し、全貌を公表しようと奔走する。真実を伝えたいという気持ちが彼らを駆り立てていた。
しかし、ニクソン大統領があらゆる手段で記事を差し止めようとするのは明らかだった。政府を敵に回してまで、本当に記事にするのか…報道の自由、信念を懸けた“決断”の時は近づいていた。
監督 :スティーヴン・スピルバーグ
出演: メリル・ストリープ、トム・ハンクス、サラ・ポールソン
上映時間:116分
公開日:2018年3月30日
鑑賞日時:2018年5月3日 19:25~