映画『あん』


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樹木希林さんの最後の主演作品。絶対に見ておきたい、いや見なければならない作品でした。昼間の中途半端な時間帯の上映しかなく、今日を逃したら見に行けないとネットで予約して行ってきました。

 

館内に入ると結構なお客さんがいてビックリ。そして、皆、粛々とそして、真剣に最後のエンドロールが終わるまで誰一人立つことなく見入っていました。

 

樹木希林さんの静かな演技。永瀬正敏さん演じるどら焼き屋店主の苦悩。圧倒的な二人の演技の中で、いいスパイスになっている内田伽羅さんの存在感。生きづらさ、知識のない世間の心ない偏見。

 

それぞれの生きてきた道は違えども、二人がいや、三人が出会ったことにも大きな意味があったのでは。生きている価値とは、生まれてきた意味とは・・・、自分自身の思いにも重ね合わせながら、本当に考えさせらる作品でありました。

 

そして、樹木希林さん、あなたほどの女優さんは、この先もう出ることはないでしょう。それほど、生きざまも演技も独特で、でも深みがあって、オンリーワンでした。もっともっとあなたの演技を見ていたかった。本当に残念でなりません。私たちに多くの感動を与えてくれた素晴らしい演技・作品の数々を決して忘れません。長い間、お疲れ様でした。そして、たくさんの感動をありがとうございました。

 

《映画情報》

あらすじ

刑務所から出所したのち、どら焼き屋「どら春」の雇われ店長となった千太郎の店に、徳江(樹木希林)という女性がやって来る。その店で働くことを強く希望した徳江を千太郎は採用。徳江が作る粒あんが評判となり、店は大繁盛。そんな中徳江は、つぶれたどら焼きをもらいに来ていた女子中学生のワカナと親しくなる。ところがある日、かつて徳江がハンセン病を患っていたことが近所に知れ渡り……。

 

【監督・脚本】  河瀬直美
【原作】  ドリアン助川


【出演】
樹木希林
永瀬正敏
内田伽羅
市原悦子
水野美紀
太賀
兼松若人
浅田美代子

 

【公開日】  2015年5月30日
【製作国】  日本/フランス/ドイツ
【上映時間】  113分

鑑賞日時:2018年10月8日 14:15〜