舞台 M&O playsプロデュース『クラッシャー女中』


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だいぶ遅くなりましたが、10日の夜公演で観てきました。前半は面白い演出だなぁと思って見ていましたが、後半の麻生さん中村さんのバトルは見せ場なはずなのに、グダグタの感じに飽きてしまい、しかもその最後の顛末のしりきれとんぼ感、内容の解釈のできなさ加減になんともすっきりせず、かなりもやもやが残る舞台でありました。

はっ茶蹴るならはっ茶蹴る、狂気なら狂気、コメディならそれを一貫して押し通して欲しかった。ケラさん(ケラリーノ・サンドロビッチさん)のハチャメチャ内容なしのように。今回は何を見せたいのかわからない舞台でした。


演者さんについては、麻生久美子さんはこれが2回目の舞台での拝見になりましたが、コメディ要素のある役所の麻生さん、いいですね。ドラマ『時効警察』を思い出し内心ニヤニヤしてしまいました。

そして、先月までのドラマに出演していた話題の中村倫也さん、前半はメリハリのある役分け、ものすごく歌が上手で安定した歌声と美声に器用な役者さんだなぁと感じました。そうそう、麻生さんも途中、歌ってましたが、上手いのか中途半端なのか、はたまた歌自体が難しいからか、何故か聞いていてハラハラしてしまいました。私だけかしら。

映像でよく見かける西田尚美さんは、安定・安泰の演技で舞台を締めてくれていました。素晴らしい女優さんです。


佐藤真弓さんは、舞台でも映像でも初見の女優さん(だと思います)ですが、コメディの笑いの部分の大半をこの方が持っていってましたね。途中、客席通路上での演技、舞台上でも他の演者さんが演じている最中、ひたすら『馬が死んで悲しい』という細かい演技をされていて、私はそちらが気になって大爆笑してしまいました。

そして、趣里さん。この方も初見ですが、コロコロ変わる豊かな表情に感情を全面に出した演技、お若いからか、まだ荒削りさが垣間見えましたが、素晴らしい女優さんです。

こんなに素晴らしい演者さんが揃っていて、部分的には面白い発想の演出だなぁと感じるところもあっただけに、今回の舞台は、かなりもったいないなぁと感じてしまいました。私個人としては、物語の終わり方ってとても大事だと思っていて、観る側の心にガツンと何かを残してくれる大きな要素だと思うのです。


《舞台情報》

ストーリー

世界的な画家であり、大富豪の小笠原義一の息子・義則(中村倫也)は、大人気のデザイナーとし、成功を手にしていた。屋敷の主人・義一はこの世になく、彼の母親・和紗西田尚美)と2人の女中(佐藤真弓、根本宗子)、また彼の幼馴染で孤児の華鹿男(田村健太郎)という男の子も養子として住んでいた。

義則は、彼好みの女性・静香(趣里)を婚約者としてこの屋敷に迎える。彼女はゆみ子(麻生久美子)という女中を伴っていた。この2人の女が屋敷に現れたことで、隠された真実が次々とあらわになり、彼女たちの仕組んだ罠が義則の底知れぬ欲望を、その悲しい過去が思わぬ事態を招いてゆく…。


〈作・演出〉根本宗子

〈出演〉
麻生久美子中村倫也趣里、佐藤真弓、根本宗子、田村健太郎西田尚美

〈公演日程〉

2019年3月22日(金)~4月14日(日)
東京都 本多劇場


2019年4月17日(水)
愛知県 日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール


2019年4月19日(金)~21日(日)
大阪府 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ


2019年4月23日(火)
島根県 島根県民会館 大ホール


2019年4月25日(木)
広島県 JMSアステールプラザ 大ホール


《観劇日時》
2019年4月10日(水) 19:00〜21:30頃

今回の席ですが、E列右側の席でした。本多劇場では、私の中では、E席が一番良い席だと思っています。E席の前は通路(ここで佐藤真弓さんたちが演じていました)、D列から一段高くなっていること(最前列からD列までは舞台に近いんですが見上げなければならず、かなり頚が辛いんです)、全体が良く見え、かつ演者さんの表情も意外としっかり見えること。今回は初めてE列での観劇になりましたが、良席でラッキーでした。

 



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