9月末に見た2本目はこの映画。最後まで目を背けてはいけない見ごたえのある作品でした。
トランスジェンダーの凪沙(なぎさ)と、親から愛を注がれることなく生きてきた少女・一果(いちか)。それぞれに抱える心の闇と孤独。一緒に暮らすうちに徐々にお互いをいとおしい存在へと変えていく。
取り上げたテーマも結末もかなりベビーなもの。それでもお互いを思う気持ちに、そして、その想いを胸に羽ばたいていこうとする成長した一果の強く美しい表情に最後は救われたように思います。
LGBTやトランスジェンダーなどの言葉はメディアにより広まりつつあります。そして、昭和・平成の時代に比べれば受け入れられる世の中になってきているのも確かです。
それでも、島国日本、閉鎖的な体質の根っこは簡単には変えることはできない。映画のような昭和の時代かと思うようなことが少なからず今の世でもあると思うのです。政治の世界ですら世代交代できない日本、悲しいですがまだまだ他の先進国に追い付くにはかなりの時間がかかるでしょう。
この映画が少しでも見た人々の意識を変えるきっかけになったら素晴らしいです。
苦しみながら生きる2人の姿に、想いあう2人の姿に、心を強く揺さぶられた作品でした。
《作品情報》
【ストーリー】
新宿のニューハーフショークラブのステージに立っては金を稼ぐトランスジェンダーの凪沙は、養育費を当て込んで育児放棄された少女・一果を預かる。セクシャルマイノリティーとして生きてきた凪沙は、社会の片隅に追いやられる毎日を送ってきた一果と接するうちに、今まで抱いたことのない感情が生まれていることに気付く。
【監督・脚本】 内田英治
【出演】
草彅剛／服部樹咲／田中俊介／吉村界人／真田怜臣／上野鈴華／佐藤江梨子／平山祐介／根岸季衣／水川あさみ／田口トモロヲ／真飛聖 ほか
【公開日】 2020年9月25日
【上映時間】 124分
《鑑賞日時》
2020年9月30日(水) 15:25〜
