世田谷パブリックシアターにて、舞台『春琴』 ―谷崎潤一郎「春琴抄」「陰翳礼讃」よりを観劇してきた。
今回で再々演になる。私は初演、再演も観ており、これで4回目の観劇。
初めて、1人で舞台を観に行ったのが、この作品だった。
それから舞台が好きになった。
劇場の空気感、本物の役者さんの演技、息づかい。どれも良いのだけれど、この作品には特別な空気感が流れている様に感じる。
『光と影』そして闇を巧妙に操り、暗闇のわずかな光の中、役者1人1人が入れ替わり立ち替わり舞台上を動き回る。
1つ1つの動きに無駄がなく、全てが研ぎ澄まされている。
これがプロフェッショナルの仕事なんだなぁと初演、再演の時に感じたのを思い出した。
役者さんや作品に関わる全てのスタッフの思いが伝わるかのように、毎回、舞台が始まると身震いしてしまう。こんな経験は、今まで観劇した中では一度もなかった。
本当にすごい!
舞台が終わってもいつまでも鳴り止まない拍手。気づくとみな立ち上がって拍手していた。
今日は千秋楽。舞台上の役者さん達の顔には爽やかな笑顔とともに目に光るものがあった。
やり遂げたスタッフの清々しい顔を見て、さらに感動してしまった。
本当に素晴らしい舞台だった。
ぺしゃんこにへこみそうだった、私のこころに、少しパワーを貰って帰ってきた。