いや〜想像以上に素晴らしい作品でした。水木しげる先生の世界観を存分に引き出した、最高に敬意を表した作品となっていたと思います。
さすが前川知大氏です。劇団イキウメの劇作家・演出家ですが、この方が脚本・演出する、しかもオリジナルストーリーなんて聞いたら、どんな世界観、前川ワールドが見られるんだろうとワクワクしかありませんでした。
そして、その摩訶不思議で、水木先生があたかも作り出したんではないかと思わせるほどの世界観。
演じる役者さんたちが、あっという間に、現実世界から、この摩訶不思議な世界へ私たちを引き込んでくれました。
本当に素晴らしい、水木先生への最高のオマージュです。
前川氏がいなければ、この作品は成立しない。前川氏と水木先生の思考回路がリンクした奇跡の瞬間を見れたように思います。
《舞台情報》
あらすじ
平成六十年。子供が生まれなくなって人口の激減した日本。人は都市に身を寄せ合い、田舎は打ち捨てられ植物に飲み込まれている。都市は権力による抑圧的な社会で、貴重な妊婦と赤子は政府の管理化に置かれている。
ある廃村に、根津という男が一人で暮らしている。根津は半分人間、半分妖怪の半妖怪。かつて村人がいた頃は、彼の周りに妖怪の姿があった。しかし村人が減り、国中で子供が消えていくのと平行して、妖怪たちも姿を消した。根津は、なぜ自分は消えないのかと考えつつ、何かを待つかのように十年以上、独りまどろみの中にいる。
ある日、根津の前に都市からきた若い男女が現れる。都市は突如現れた謎の怪物によって混乱しているという。女は妊娠しており、混乱に乗じて逃げてきたのだ。
根津と二人の会話を通じて、根津がなぜ半妖怪になったのか、なぜ妖怪たちが消えてしまったのか、そして都市に現れた怪物はなんなのか、次第に明らかになっていく。
そしてその怪物は、三人のいる廃村に向かいつつあった。
原案:水木しげる
脚本・演出:前川知大
出演
佐々木蔵之介 松雪泰子 水田航生 水上京香 手塚とおる 池谷のぶえ 浜田信也 盛隆二 森下創 大窪人衛 白石加代子
上演時間:2時間(休憩なし)
公演スケジュール
10/8(月・祝)~10/21(日)
東京・東京芸術劇場 プレイハウス
11/2(金)~11/5(月)
大阪・森ノ宮ピロティホール
11/17(土)・11/18(日)
福岡・北九州芸術劇場 大ホール
11/22(木)・11/23(金)
新潟・りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館 劇場
《観劇日時》
2018年10月10日(水)
19:04〜20:58