先週末の映画鑑賞2本目はこちら。1本目がハードな内容だったので、2本目は心穏やかになる作品を観ようと思っていましたが、心惹かれるものがなく、ずっと気になっていたこの作品を観ることにしました。2本連続でハードな内容です。
2010年公開作品。
この作品、実は、深津絵里さんが映画『悪人』で最優秀主演女優賞を獲った2010年の作品に対する第34回日本アカデミー賞で、最優秀作品賞・最優秀監督賞・最優秀脚本賞・最優秀編集賞を獲った作品で、他にもいろいろなところで賞を獲っており、公開時もかなり話題になっていました。
当時は、内容が内容なだけに観るのが怖く避けていましたが、ずっと気になってはいました。
近年、動画配信でたくさんの作品が観れるようになり、映画『キャラクター』のハードなストーリーに引きづられるままの勢いで、この機会に見ることにした訳です。
感想は···
『さすが!』の一言につきます。
冒頭の松たか子さんの告白シーン。ここでジワジワと心を動かされ一気に物語へ引きづりこまれました。
主人公に完全に感情が入りこもうかというときに、物語に登場する別の人物の視点へと次々に切り替わっていきます。この惹きつけられる見せ方には感服です。そして、それぞれの視点を何度も切り替えながら、ラストシーンへ向け、ストーリーは集約していき衝撃の展開を迎えていきます。
この作品では、登場人物それぞれの人間の黒くて悪の部分を嫌と言うほど見せつけられます。
いや、もっと言うなら、当時の世の中で社会や日常の中で起こっていた問題を思い起こしながら見てみると、もっともっと人の心の奥に潜む小さな悪を最大限に誇張して見せ、我々見る側の心が荒むほどの凄まじい作品なのかもしれません。
もちろんラストにハッピーエンドなどありえない。先の見えない黒いモヤモヤを抱えたまま、ずっと感情さえも押し殺し、心を無にして見ていたような気がします。
結構な内容なのに、最近、心が病んでいるのか、こんなハードなものを見てもダメージがほぼないんですよね。
こっちの方が怖いのかもしれません。
《映画情報》
ストーリー〉
とある中学校の1年B組、終業式後の雑然としたホームルームで、教壇に立つ担任の森口悠子(松たか子)が静かに語り出す。「わたしの娘が死にました。警察は事故死と判断しましたが、娘は事故で死んだのではなくこのクラスの生徒に殺されたのです」教室内は一瞬にして静まりかえり、この衝撃的な告白から物語は始まっていく……。
キャスト〉
松たか子
木村佳乃
岡田将生
西井幸人
藤原薫
橋本愛
天見樹力
公開日〉2010年6月5日
《鑑賞日》2022年2月20日